―7089人と4279人―

○○はそれを我慢できない

  労働組合の取り組みは、世の中に実際の思いが伝わる機会が思ったより少ない…、常日頃の私の実感です。

  従来型のメディア(新聞・テレビ等)は、必ずしもこちらが思うようにその実像を伝えてはくれません。(それはそんなものでしょう)その一方で、ソーシャルネットメディアの様々な利点を、能動的に活かすこともままならないのが足もとの実情です。

  結果として、日頃の労働運動の持っている切実かつ素朴な思いや、役職員の連日の地道な取り組みなど、かなりの部分が埋もれたままになってしまっています。政治権力のメディアに対する巧みな対応・活用にくらべて、わが方はかなり遅れをとっている・・・私自身、もどかしさを日々つのらせているのが実情です。

  神津はそれを我慢できない。自分自身がもっと努力をしていかないと。素朴な手探りからであってもかまわない、座したままでは何も前に進まないと。ということで、ささやかながらこのような形でのブログをスタートさせたいと思った次第です。

 

遠慮は罪だ

  労働組合にとってコミュニケーションは命です。

  組織のなかで役割を担っている人がその務めとして、しっかりと情報を伝えているか。そしてそもそも、それらの情報の発信元が、本気になって相手にその情報の伝達をお願いしているか?

  ついつい、相手は忙しいし、聞く気もないだろうし…などと考えてしまう。しかしそのような遠慮は禁物です。それは相手に対する優しさでも何でもない。ことと次第によっては、結果として相手に対して罪をつくっているとすらいえると思います。

  今何が起きているのか、何が大事なことなのか、それを発信できているのか、自問自答を重ねつつ、「おやっ?」と思うこと、「エッ!」と感じることから語り始めていきたい。不定期ですが、その時々の話題など織り交ぜながら発信をしていきたいと思います。

 

7089人と4279人

 この数字は何か?先日の国会審議のなかで明らかになった技能実習生・失踪者の数です。昨年一年間での失踪者数が7089人、今年の前半6月までで4279人ということです。ここ数年増え続けているのです。

 この問題、皆さんはどう思いますか?私自身の不明を恥じるとともに告白するならば、そんなに多くの外国籍の方々が失踪しているとは思いませんでした。テレビ・新聞は国会質疑を中心に報道していましたが、さらに継続して掘り下げてほしいと思います。心配なことは私たち日本人、この数字を「そんなもんかな」などとやり過ごしてしまいかねないということです。

 報道もちょっと鈍いんじゃないかと思って検索してみると、8月5日の日経新聞にルポ記事とともにちゃんと7089人の実数が取り上げられていることがわかりました。福島県郡山にある駆け込み寺的施設に逃げ込んだベトナム人女性の体験は、一日14~15時間で年間休日たった7日という過酷な労働を強いられていたというものでした。

 今年の前半6カ月で4279人ということは、一日当たり24人弱。毎日のように日本のあちこちで、生き延びていくための失踪劇が繰り広げられているのです。日本人として恥ずべき話だと思います。

 国会での議論が始まった外国人材受け入れ拡大。そもそもが問題だらけの内容ですが、こういう実態に鑑みるならば、大事なことを置き去りにして、将来に重大な禍根を残すものと言わざるを得ません。(了)